高齢者に限らず、まずは重篤な疾患による「腰痛」(腫瘍・感染症・骨折・内臓疾患など)を見逃さないことが大切です。高齢者の場合、レントゲンを撮ればほとんどの人に退行性変化が見られます。
しかし、「腰痛」の原因がそれらの変化に由来するものかどうか、判断に苦慮する場合が少なくありません。
そこで問診や診察が非常に重要になります。
何か転倒などのきっかけはなかったか、過去に悪性疾患や内臓疾患などの既往はなかったか、現在治療中の疾患はないか、「腰痛」以外の症状(発熱や体重減少、排尿障害など)はないか、痛みはどのような時に起こり増強するか、症状は進行性か、などの聴取が診断の決め手になることが少なくありません。
また、その疾患に特徴的な痛み方があり、診断の参考になります。
例えば、変形性脊椎症では、起床後に強く感じる「腰痛」がその後動くにつれて次第に軽快します。
骨粗鬆症による圧迫骨折では、起き上がる時に強い痛みを感じるが起きてしまえば余り痛くなくなります。
癌の脊椎転移では、安静時にも持続する痛みがあったり、夜間に痛みのために目が覚めるという特徴があります。
また、「腰痛」だけでなく下肢の痛みやしびれを伴う疾患もあります。
代表的なものに、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどがあります。
前者では、歩行により下肢のしびれや痛み、脱力が増強するため、休み休みでないと歩けなくなる「間欠跛行」という、特徴的な症状が見られます。
また、痛い所が必ずしも病巣部位ではない、ということも知っておく必要があります。
例えば、骨粗鬆症による胸腰椎移行部の圧迫骨折では、しばしば下部腰椎部に痛みを訴えます。
高齢の「腰痛」患者を診察する時は、なるべく苦痛を与えないように気をつけます。
診断にはCT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像診断)、骨シンチグラフィーなどの画像検査や、骨密度検査等を用いることもあります。
また、腫瘍マーカー、骨代謝マーカー、血清免疫電気泳動などの血液や尿検査を行うこともあります。
人間であればほとんどの人が体感するであろう腰痛の原因疾患です。
※様々な「治療」、「体操」、「ベルト」、「ストレッチ」、「コルセット」を試してきたが、どれも効果が出なかった。
※「加齢による退行変性」の痛みに悩まされていて、日常生活に支障をきたしている。
※「脊柱管狭窄症」と診断され、休み休みでやっと歩ける。
(間欠跛行)
※「加齢による退行変性」、「椎間板ヘルニア」、「すべり症」、と診断され、下半身が痺れてしまっている。
※「坐骨神経痛」と言われ、長く椅子に座ることが難しい。
※医者から手術を勧められていて、決断の時期が来ている。
※ぎっくり腰を、たびたび繰り返している。
※薬を飲んでも一時的にしか鎮痛効果がない。
※毎日マッサージをしても腰の状態が変わらない。
もしくは、「加齢による退行変性」の症状がひどくなった。
※腰の痛みのせいで、夜も満足に睡眠できない。